命
熊本で震災が起きました。開業している私には、医師として活動することができません。もどかしくて悔しくて仕方がありません。福島、阪神、御嶽山、天災に限りがありません。しかし、天災はその規模の大小ではなくて、たとえ毎年の台風で被る被害等もふくめて、その犠牲者の悲しみや苦痛は全てに同等であると思います。万物は無常の中にあり、命はいつしか消える定めでもあります。地球であったとしても、その形を刻々と変えていきます。その過程で地震であり、津波であり、噴火であったりのおこる事は真理であります。しかし、そこに命の失われる事は、耐え難い事です。
医師は老、病、死に抗う事を、その使命としていますが、天災の前に医師は、どれ程か無力であり、人間としての存在の儚さや小ささを思いしらされます。
犠牲者の御家族の悲しみや苦しみが始まってしまう事に、私は耐え難い憤りをおぼえます。いくらここに行を重ねても、その気持ちは書き表すことはできません。
ただ、ただ、神仏に被害者の皆さまに限りない慈悲をお与え賜らん事を、私の全ての心をかけて祈ります。